石垣島のアクアリウムショップ「シーピーファーム」

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アマモ水槽の魅力

アマモ場とは

サンゴ礁海域の砂浜から沖に向かって泳ぎ出すと、ほどなくして鮮やかな緑色の海草の草原、アマモ場が現れます。アマモ場には、多くの魚種の稚魚やアマモ場を主な生息圏とする独特の魚達、またアマモの緑色に擬態するエビやカニ、その他様々な生物が集まって、独特の生態系を創っています。
アマモ場の中は流れが弱く、林立するアマモの葉は絶好の隠れ家がたくさんあるので、アマモに擬態したエビや、ヨコエビの仲間が多数見られ、多くの魚の餌となります。稚魚にとっては、安全な隠れ家と穏やかな環境に加え、豊富な餌にも恵まれた絶好の環境ということが出来ます。
アマモは葉及び根からかなり大量の窒素やリンを取り込むことがわかっています。学説によれば100ヘクタールのアマモ場は1年間に約35トンもの窒素を取り込むそうです。このことは、タンク内の貧栄養化にも極めて有効であると思われます。

アマモ場のライブサンド

私達が調査した結果では、アマモ場の砂中に住むこれらの生物量は、一般的な流れのスムーズな海底の砂に比べて、単位容積あたりの生物量が10倍以上の高い密度で生息していました。この事は一般的な流れのスムーズな海底の砂地が非常に不安定で、生物が求める安定した生活基盤としての機能を果たさないこと、一方でアマモ場の砂地は流れが穏やかであることに加えて、密に砂中に張りめぐらされたアマモの根によって、極めて安定した安全な生活圏が約束されている事によるものと思われます。

また、アマモ場の砂地のもう一つの大きな特色として、砂中の嫌気層がしっかりと構成されていることが上げられます。アマモ場の砂を掘ると5〜10cm程の深さで、嫌気層特有の黒っぽく変色した砂の層が現れます。一般的な流れの砂地では、このような嫌気層特有の黒色化した層は10cmから30cm程の深さで、その層もぼんやりとしていて明確に認識出来ないのが普通です。アマモ場の砂地は、流れが穏やかで砂の流動が少ないことに加えて、砂中に密に張りめぐらされたアマモの根が、モナコ式水槽におけるプレナム(砂中の好気層と嫌気層を仕切る仕切板)のような役割を果たしているのでしょう。

これらの事を応用して、アマモをプレナム代わりにしたモナコ式リーフアクアリウムや、アマモ場の砂中の豊富な生物群を活かした、リフジウム等を創ってみることもおもしろいかもしれません。リフジウムとは、タンク中のプランクトンの繁栄に重点をおいたタンクで、通常のリーフタンクの構成の内、プランクトンに危害を加えるインペラー式のポンプやプロテインスキマー等を排除し、タンク内でプランクトンを積極的に増やし、それらの増殖バランスに合わせたプランクトン食のコーラルやその他の生物を飼育するというリーフアクアリウムシステムのひとつです。

アマモの生態

アマモの仲間は、砂の中に地下茎を横に伸ばし、間隔をおいて地下茎から直立する葉を水中に繁らせます。

アマモの葉の特異な点は、その生長点が葉の付け根の基部にあり、先端は成長しないと言うことです。私達が知るアマモの葉のような鞘状の形状をした葉は、葉の先端が生長点であり、葉の先に行くほど新しい組織になるのですが、アマモは葉の基部が最も新しい組織で、先端に行くほど古い組織になります。アマモの成長は早く、水槽内でも砂中に完全に根付くと1日に5mm程の早さで成長します。葉は基部から生まれ時間と共に先端部に移動しながら徐々に藻や石灰藻等に覆われて、光が受けられなくなって死んでいきます。その為、淡水水草の同形状の種類や菖蒲の葉のように、葉の先端がスッキリとした流線型を保つことが少なく、古い組織が欠落した後の統一されない形状となってしまうことが、私達リーフアクアリストの目から見ると残念です。

アマモの飼育条件

アマモを水槽内で上手に繁茂させるためのポイントとなる条件は光と底床です。

光については、多くのアマモの仲間が水深2mより浅い海底に生息していることからもわかるように、強力な照明装置が必要となります。蛍光灯の照明下での長期飼育は困難で、アマモが植えてある面積50cm×50cmあたり150Wのメタルハライドランプ1灯以上の光が必要となります。この際の光の色温度については、色温度の高い青い光の球よりも、6,500ケルビン程度の球の方がアマモの鮮やかなグリーンが際だち、またアマモの生育のためにも良いようです。

砂は、目の細かいパウダー状のライブサンドが最適です。経験上の話ですが、アマモの生育には底床部の嫌気層が大切なようで、砂に植えずに水面に浮かべておいたり、粗めのサンゴ砂等に植えると徐々に葉が落ちて枯れてしまいます。パウダーサンドに植えた場合では、植え付けから根が底床に根付き底床内で嫌気層が形成されるまでの1ヶ月ほどは成長は見られず、以後徐々に成長が見られるようになります。砂地に根を張るヒロハサボテングサ、コサボテングサ等にも同じ事が言えるようです。これらの砂地のサボテングサは、飼育も容易で簡単に砂地に緑のアクセントを付けることが出来る海草として、リーフタンクに打ってつけの海草ということが出来ます。

アマモ水槽に適した海草

最近タンク内に純白のライブサンドを敷くリーフタンクが増えてきたようです。ここでご案内する海草は、これらのパウダーサンドに植え込むことで、リーフタンクに不足しがちな緑の彩りを加え、より色彩豊かでナチュラルなレイアウトを実現してくれます。
飼育の上では、何れの種類も水深5mより浅い砂地の海底に生息している種類なので、強めの照明がポイントとなります。蛍光灯での長期飼育は難しく、150Wのメタルハライドランプであれば、これらの海草が植えてある面積50cm×50cmあたり150Wのメタルハライドランプ1灯以上の光が必要となります。この際の光の色温度については、色温度の高い青い光の球よりも、6,500〜10,000ケルビン程度の球の方が海草の鮮やかなグリーンが際だち、また海草の生育のためにも良いようです。
砂は、目の細かいパウダー状のライブサンドが最適で、最低5cm以上の厚みで敷く必要があります。経験上の話ですが、アマモの生育には底床部の嫌気層が大切なようで、砂に植えずに水面に浮かべておいたり、粗めのサンゴ砂等に植えると徐々に葉が落ちて枯れてしまいます。パウダーサンドに植えた場合では、植え付けから根が底床に根付き底床内で嫌気層が形成されるまでの1ヶ月ほどは成長は見られず、以後徐々に成長が見られるようになります。砂地に根を張るヒロハサボテングサ、コサボテングサ等にも同じ事が言えるようです。これらの砂地のサボテングサは、飼育も容易で簡単に砂地に緑のアクセントを付けることが出来る海草として、リーフタンクにうってつけの海草ということが出来ます。

ヒロハサボテングサとコサボテングサ
ヒロハサボテングサ(左)
コサボテングサ(右)
砂地に生えるサボテングサで、大型のヒロハサボテングサと小型のコサボテングサがあります。
ヒロハサボテングサは円形の葉の直径が約2cmほどで、大きなものは約25cm程の高さにまで成長します。
コサボテングサは葉の直径約5mm、高さ約10cm程度の大きさです。
両種とも砂をしっかりと抱く形で根が付いているので、根の砂はそのままにパウダーサンドに植え込みます。根付いた後は思いのほか成長が早く、円形の葉が連なった先端から2日に1ヶ程の早さで新葉を出して成長していきます。丈夫で植え込みも容易に行えるので、砂地のレイアウトにアクセントとして植えるのに適した海草です。

ウミヒルモ
ウミヒルモ
水深の浅い場所からアマモ場の少し沖合、水深約1〜7m程の砂地に生息しています。地下茎から対に生える葉が可愛らしく、淡い緑色も美しいマリンアクアリウム向けの海草です。パウダーサンドに強めの照明で、植え付け後1ヶ月ほどで根付き、以降どんどん増えていきます。

ウミジグサ
ウミジグサ(左)
葉の幅が約3〜4mm程と細く、高さも約10cm程度の小型のアマモです。水槽の前景に密生させるように植え、根付いた後に新芽が出てくるような段階になると、芝生のようなイメージを創ることが出来ます。
リュウキュウアマモ(中央)
もっとも一般的に見られるアマモの仲間で、葉の太さは約1cm程、長さは約30cm程にまで成長します。生息環境によっては縞模様が現れる葉もあります。
ボウバアマモ(右)
名前の通り棒状の葉が特徴です。葉の太さは約2mm程、長さは約30cm程にまで成長します。飼育の上では特に強い光が必要なようです。葉の先端部付近は、藻類が生えやすく美観を損ねる場合は、ハサミなどでカットしてもアマモ自体の健康に影響が出ることはないようです。

C.P.Farmのアマモタンク


写真はC.P.Farmのアマモタンクです。
特徴としては下記の項目が上げられます。

  • プロテインスキマーを機能させていない
  • パウダー状ライブサンドを8cm程度の厚みで敷いてある事とサザナミハゼ
  • 収容生物をアマモ場に生息する生物に限定したこと

プロテインスキマーを機能させていない

プロテインスキマーは立ち上げ当初は使用していましたが、ライブサンド内のプランクトンを積極的に増やすべく、途中から流量を調整して汚水カップに泡が届かない程度にしてしまい、実質的にエアーレーションのみの効果となっています。
スキマーの機能を停止した後も、水質の悪化は見られず、ライブロック及びライブサンドのみで充分な水質浄化が行われているようです。また、先にも述べたアマモによる硝酸やリンの吸収も貢献しているのかもしれません。
ただし期待したプランクトンの増殖は、目で見た限りでは確認できていません。プランクトンが目に見えて増えるには魚の収容数が多すぎるのかもしれません。

パウダー状ライブサンドを8cm程度の厚みで敷いてある事とサザナミハゼ

タンク内でアマモやサボテングサなどが、十分に成長していることから底砂は約8cm程度あれば充分な厚みであると思われます。
底砂にコケが生えて美観を損ねることを防止するために、6cm程のサザナミハゼを1匹入れてありました。サザナミハゼは常に底砂を口に含み、その中の微細な生物のみを食べて、綺麗になった砂を鰓から吐き出す優れたクリーナーとして人気があります。おかげで、底砂は常に綺麗に保たれ、アカハチハゼもライブサンド内に生息する多毛類などの小さなベントスやプランクトンを食べ、ゆっくりと成長していました。
このタンクの底面積は約1平方メートルですが、この程度のスペースに5〜8cm程度のサザナミハゼ1匹が丁度良いバランスなのかもしれません。
写真撮影を前にして、サザナミハゼが砂を撹拌することで、細かいシルトが水中に舞って写真の邪魔になるので、水槽からは出してしまいました。

収容生物をアマモ場に生息する生物に限定したこと

アマモ場に点在する根を再現したベルリン式タンクというテーマでレイアウトを構成した関係で、収容生物もアマモ場に生息してる生物を中心にピックアップしました。アマモ場に生息するコーラルは種類数が少なく、レイアウトの絵としての美的観点からは、かなり大きな制限があり苦労しましましたが、結果として配置されたコーラルはどれも、水質や水流といった環境要因に広く適応出来る丈夫なコーラルであり、ホームリーフアクアリウムでも美しい姿を比較的容易に維持できるものとして参考になるのではないかと思います。